Ethos

世界を探究し、
理解し、継承する。

世界は、私の外側にただ広がっているだけではない。私が見たもの、触れたもの、読んだもの、 誰かと交わした言葉、そのすべてが情報として脳の内側に沈み込み、少しずつ私にとっての世界を形づくっている。

未知に出会うことは、自分の中にある世界の境界線を押し広げることだ。まだ名前を持たなかったものに輪郭が生まれ、 見えていなかった関係がつながり、閉じていた場所に道が開く。それこそが、私の生きる喜びである。 探究するとは、自分という器を、少しずつ、しかし確実に広げていくことだ。

けれども、世界の輪郭が広がるだけでは、まだそれを自分のものにしたとは言えない。知っていることと、理解していることは違う。 何かを本当の意味で理解するとは、それを受け取ったまま保存することではなく、自分の内側でいったん分解し、もう一度組み立て直せるようになることだと思っている。 だから、理解するためには、創らなければならない。

そして、創ることは、理解を自分の内側だけで完結させないための行為でもある。私が探究し、理解しようとしている世界は、 すでに無数の人々から受け取った世界だからだ。私はその継承の上に立って、世界に触れている。 だから、理解とは受け取ることでもあり、創ることは応答することでもある。継承とは、自分の内側で形になったものを、 誰かが受け取れる形で歴史の流れに置くことだ。